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深化。


by sizeM

情報処理課題覚書

1、ローレンツ曲線とジニ係数
 ローレンツ曲線とジニ係数は、いずれも所得の不平等度、経済格差を測る指標である。

ⅰ)ローレンツ曲線
ローレンツ曲線とは、横軸に人口の累積百分率をとり、縦軸に所得の累積百分率をとった、世帯の所得分布を示したグラフである。ローレンツ曲線を描くためには、以下のような度数分布表を作成する。 は階級jの平均所得であり、全てのjについて とする。

(表1)
情報処理課題覚書_f0018048_2147853.jpg

(Pj、Qj)をグラフ上にプロットし、つなげたものがローレンツ曲線である。


(図1)
情報処理課題覚書_f0018048_21181126.gif


図1は一辺の長さが1の正方形であり、曲線 および がローレンツ曲線である。
階級間の所得格差がより大きいと、ローレンツ曲線はより下方に膨らんだ形となる。図の場合、 よりも の方が格差の大きい状態である。
完全平等の時、ローレンツ曲線は45度線と一致する。また、完全不平等のとき(全所得を1階級のみが独占しているとき)、ローレンツ曲線は折れ線ABCと一致する。


ⅱ)ジニ係数
ジニ係数は、所得の不平等度を数値化したものである。
図1を用いると、三角形ABCに占める45度線と曲線 に囲まれた面積(黄色の部分)の割合がジニ係数である。

ジニ係数=図の黄色の部分の面積/三角形ABCの面積=図の黄色の部分の面積×2

表1を用いて表すと
情報処理課題覚書_f0018048_2150425.jpg



となる。ただし、(P0、Q0)=(0,0)

ジニ係数は0から1までの値をとり、完全平等のときが0、完全不平等のときが1である。


2、1973年におけるローレンツ曲線とジニ係数
(Penn World Table6.2のRGDPCH、POPのデータと1で示した計算方法を用いた)

ⅰ)ローレンツ曲線
(図2)
情報処理課題覚書_f0018048_2135438.jpg


ⅱ)ジニ係数
1973年のジニ係数=0.62
(対象国:154カ国)


(参考ページ)
・経済学のための計量分析入門 講義補助資料「ローレンツ曲線とジニ係数」/早稲田大学政治経済学術院教授 近藤康之
http://www.f.waseda.jp/ykondo/ja/edu/lectures/CompIntro/2002/note02.pdf
・「経済指標の見方・使い方」/富山大学経済学部教授 中村和之
http://www.pref.toyama.jp/sections/1015/ecm/back/2005apr/shihyo/index.html
by sizeM | 2009-01-12 21:51 | 大学