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深化。


by sizeM

身近な人の老後を考えた。

帚木篷生(ははきぎほうせい)の「安楽病棟」を読み終わった。


この作品は、ミステリー仕立てだけど、終末期医療(安楽死)が主題となっていて、まさに高齢社会に突入する日本にとって、今一番考えていかなくてはならない問題ではないかと思う。



ミステリー性が出て来るのはほんまに最後の方で、それまでは様々な症状の老人が暮らす痴呆病棟での生活を描いていて、自分の日頃のお年寄りへの接し方を考えさせられる。

といっても、回りには80、90を超えるお年寄りの姿はほとんどなく、老人が社会の目から分離され、隠されている現状も大いに問題であると思った。

この小説の中に「昔は脳が衰えてくる前に身体が使い物にならなくなったが、今は身体にがたが来るはるか前に脳が力尽きてしまう。食べ物や医療で身体の老化はかなり抑えられたが、脳の老化を止める技術はまだない」というような事が書いてあって、なるほどなぁーと思った。



とにかく、痴呆のきていない全ての人、特に若い人に是非読んで欲しい一冊。偉そうやけど。
というか、この本を読んで同世代の人がどう感じるのかに非常に興味があります。

読んでみたいと思った方は貸しますので、言って下さい。
むしろ、貸すから読んで下さい。

ところで、同じ作家の「閉鎖病棟」は私が今まで読んだなかで1位2位を争う程の本であった。
こっちは持ってないので、自分で買うか借りるかして読んでくれたら、松本がとても喜びます。

あーレビュー苦手やぁ。自分が感じた事が全然言葉に出来なくて、歯痒くてならぬ。結局最後には、いい本なので読んで下さいとしか言えない(ノ_<。)


ほんとにいい本だと思うので読んで下さい。。
by sizem | 2006-07-28 14:23 |